|
心臓疾患についてのQ&A〜心筋症とICD埋め込み
Q:現在40代です。4年前の国民年金加入時に「閉塞性肥大型心筋症」の診断を受け、昨年12月の厚生年金加入中に心室細動によりICD埋め込み手術を受けました。障害年金はもらえるのでしょうか?
A:
まず、心筋症とICD埋め込みに相当因果関係があるかどうかが問題となります。
現在の主治医に医学的な見解を聞いてみてください。
日本心血管インターベンション学会のページに以下のような学会発表テーマがあります。
「PTSMAにより左室内圧較差は改善を認めるも、心室細動による心肺停止にてICD植込みが必要となった重症閉塞性肥大型心筋症の一例」
ですので、おそらく関係する場合があるのではないかと考えられます。
〔因果関係がある場合〕
この場合は、「閉塞性肥大型心筋症」での初診日で、加入条件、納付条件を見ます。また、後に重傷となった事後重傷での請求となり、支給決定された場合は請求月の翌月からの支給となります。→保険料納付条件を見てください。
初診日に国民年金加入でしたので、障害基礎年金しか出ません。基礎年金は2級までですので、3級なら不支給です。
ICD植込みだけなら3級ですが、それとともに、現在の症状がどういう状態なのかによります。ICD植込みは3級以上ということであって、その他の症状によっては、2級以上とされる場合があるのです。
一般的には軽労働にしても労働ができる場合は、2級は難しいとは言えますが、仕事の内容にもよります。
実際、事務仕事をしている場合でも2級に認定された場合があります。
その方の病状は以下です。
- 閉塞性肥大型心筋症
- 動悸、息切れ、呼吸困難の自覚症状あり
- 心室頻拍13連発のためペースメーカー装着
- 胸部X線所見 心胸郭係数54%
- 心臓カテーテル検査で、Ao-LV圧較差50mmHg
- その他の検査異常所見なし
- 「健常者と同じ速さでは息苦しくて歩けない」
- 「ふとんの上げ下げもできない」
これは4年前の請求です。この時より、現在は少し厳しくはなっていますが、参考にされてください。
〔因果関係がない場合〕
心室細動によるICD埋め込みで、この初診日に納付要件を満たしていれば、厚生年金加入中ですから、最低、障害厚生年金3級となります。
新たな障害による障害年金というのがあります。以前からの障害では3級以下障害で、新たな障害(基準障害)と合わせてはじめて障害等級の1、2級に当たるときに支給されるものです。この場合は、後発の傷病で少なくとも現時点で、2級の状態になることが必要です。この場合は、新たな障害での初診日で加入条件を見ますから、2級であれば、障害基礎年金+障害厚生年金が支給されます。
心臓疾患の障害認定基準
大動脈閉鎖不全症
|
|