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障害厚生年金請求をしたが、障害基礎年金の切り換えてくださいと言われたら?
Q:障害厚生年金の請求をしましたが、初診日は国民年金加入中と認定されたので、障害基礎年金請求に切り換えてくださいと言われました。 その場合は、障害厚生年金は不服申立もできないと言われています。どうすればいいのでしょうか。
A:
初診日と認定される日が2つあり、加入制度が異なる場合は同時請求をしておくべきです。
問題は、あなたのように、この同時請求を知らないために、障害厚生年金について請求をしたが、その結果、厚生年金加入中ではないと認定されたときです。年金事務所から次のように言ってきます。@障害厚生年金の請求を取り下げて障害基礎年金請求に切り替えてください。 A障害厚生年金について不服申立てをするのなら、もとの請求を障害基礎年金への切り替えることはできないので、その場合は、別途、一から障害基礎年金の請求をしてください。この@とAの2つのうちのどちらにするのか、請求者に求めてきます。
障害厚生年金の請求日に障害基礎年金の請求が同時にあったとみなすことができるのか
年金機構から同時請求が可能であることが全く知らされていないからこんなことが起きます。これまでの私のやり方はこういう場合には、切り換えはせず、障害厚生年金請求について不服申立をするために不支給処分を出させて、一方、障害基礎年金についても請求書類を全てそろえて、障害給付の請求日で障害基礎年金を受け付けさせるというやり方を取ってきました。
切り換えをしないのは、それをやると障害厚生年金について不服申立ができないと年金機構は説明しているからです。
しかし、当初から請求書を2種類出さずに、後から2種類の請求書を出したのと同様に扱わせることができるかどうか。 つまり、障害厚生年金の請求日に障害基礎年金の請求が同時にあったとみなすことができるのかどうかです。みなすことができないとどうなるか。障害基礎年金の請求を別途これからやることになると、現状での請求(事後重症請求)の場合には、請求時期がそれだけずれ込んで、その分、年金が受給できなくなります。私が今、受任している件は、障害厚生年金請求から1年半も経っているので、基礎年金の請求を別途行った場合には、その分受給できたはずの年金が消えます。さらに、事後重症請求の場合で、この間に65歳を過ぎてしまうと請求からできなくなります。
国の考えは未だに明確にはなっていない
これについて、私は3年前から厚労省に対して問い合わせをしています。
最初に書いた請求書を2枚出すことが可能か、という問い合わせと同時にしていました。厚労省の担当官は、少なくとも2年前からは、可能な方向で文書を出すと言い続けてきました。だから、私は当然この「みなし」も可能と考えていました。ですが、この2015年11月に再度聞くと、可能と言っていたのは、請求書を2枚出した場合であって、この「みなし」まで可能かどうかは判断できない、というのです。3年待った結果がこうです。では、どうしたら回答を出すのか、と聞くと、年金機構から問い合わせ(「疑義照会」といいます)が来たら公式見解を出すというのです。主権者である国民に対しては3年待たせて、回答はできないといい、3年経って、下位の役所を通せというのです。こんな主権者をバカにしたやり方がありますか。年金機構といくらやりあってもらちが明かなかったから、直接問い合わせをしているのに….。
具体的に受任している案件で、年金事務所に疑義照会を上部に上げてもらいように言っています。 しかし、年金機構の内部で厚労省への照会は必要ないと判断することもあるわけです。もみ消しです。
ただ、このことからも、同時請求がいかに大事かがわかります。最初に請求書を2枚出しさえすれば、どっちかを選択しろなんて理不尽なことは、国は言えないわけですから。
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