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障害認定の2つの時点とは?
Q:初診日が10年前で、その時点より厚生年金加入済みです。
障害認定日時点の請求は5年さかのぼってもらえるとの事ですが、その場合、5年前の診断書が必要なのですか?
A:障害の認定の時点は、2つあります。
(1)障害認定日
(2)請求時
障害年金受給権の認定はこの2つの時点しか行われることはなく、それ以外は法的にあり得ません。障害認定日から請求日間の時期に、いくら障害年金受給できる程度となったと証明できたとしても、その時点で受給権が認められ、さかのぼって支給されるということはありません。
※ただし、法改正の関係で、20歳前初診で1986.3前に障害状態となったことが証明できる場合に、 この1986.3で認定される場合があるなど特別な場合もありますから、これ以前に障害認定日がある方はご相談ください。 障害のある方の生活保障という観点からはおかしいと思いますが、そういう制度になっています。これを変えるには国会で法改正をする以外にはありません。たとえば、人工透析は2級ですが、初診日が10年前で人工透析開始が請求日の3年前であるからといって、初診日から1年半の障害認定日時に受給権が認定されない場合には、人工透析を開始した3年前にさかのぼって2級の障害年金が支給されるということはないのです。この場合は、あくまで請求した時点でしか受給権の認定がされません。国による障害年金の広報が不十分な中で、「請求しないオマエが悪い」となっているこの制度は変えていかなければならないと思います。
(1)障害認定日
障害認定日とは、原則として初診日から1年半たった日(その後3ヶ月以内の日)または、1年半以内に障害、症状が固定した場合はその日となります。
20歳前に初診日がある場合は、20歳になったときか、障害認定日初診日から1年半たった日のどちらか遅い方(つまり、初診日が18歳6ヶ月以前のときは20歳になったとき)が障害認定日となります。
ただし、傷病によっては、特定な日が定められていますから、こちらでご確認ください。
この障害認定日時点での障害年金は、請求自体についてはいつまでという期限はありません。
受給権が認められれば、受給する権利は障害認定日に発生します。ただし、実際の支給では請求から5年以前分については、支給されません。逆に言いますと、5年間についてだけは、さかのぼってもらえるということです。
障害認定日時点での請求については、障害認定日時点での障害や症状を記した診断書が必要です。 原則として、初診日から1年半の日より3ヶ月以内の日付(20歳前初診の場合は20歳時または初診日から1年半の日のどちらか遅い方の前後3ヶ月)の診察日の状態について診断書を提出して請求します。 あなたの場合であれば、5年前の診断書ではなく、8年半前(または、その後3ヶ月以内)時点で受けた診察について診断内容を記したものとなります。
(2)請求時
障害認定日時点では、生活や労働に支障があるほどではなかったという場合やこの障害認定日より3ヶ月に診察を受けていないという場合は、請求時での状態で認定を求めることになります。この場合の請求には、65歳の誕生日の2日前までという期限があります。
現在かかっている医師に書いてもらった診断書で請求します。請求日の3ヶ月以内の日付のものを提出します。
受給が認められた場合は、支給は請求月の翌月からとなります。
ただ、(1)障害認定日での請求の場合も、障害認定日から1年以上経った後に請求するときは現時点での診断書も必要です。
つまりあなたの場合は、8年半前と現時点の2通の診断書で請求することになります。 →障害認定日請求と事後重症請求
受診状況証明書
※医師に依頼するその他の証明書として、転医した場合に初診日を証明してもらう受診状況証明書というのがあります。
- ア) 1)の請求で、障害認定日にかかっていた病院と初診日の病院が違う場合
- イ) 2)の請求で、現在かかっている病院と初診日の病院が違う場合
初診日がいつだったのかは、受給の成否を決める大きな一つですから、大変重要な書類です。
この受診状況証明書もカルテ(診療録)を基に記載してもらいます。
質問では、初診日から10年ということですので、カルテの保管期間は5年ですから、転医している場合は、急いでカルテがあるかを初診日の病院に確認してください。最近では長めに保管してる病院も多いですが、もし廃棄されている場合は、次の病院での初診時に前医院での診察歴の申告がカルテに記載されているかどうかを確認してください。 そこでも廃棄されている場合は、次の病院と順に追っていくことになります。⇒初診日が不明なときの対処方
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