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癌・がん手術後遺症による障害認定基準は?
Q:胃がんにより胃の全摘出手術の後、体調がすぐれず、仕事ができません。障害年
金はもらえるでしょうか?
A:
がんによる摘出手術後遺症による障害認定基準は、以下の「悪性新生物による障害」と「腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症による障害」の2つを勘案して認定されます。
【悪性新生物による障害】
障害等級はおおむね以下のようになります。
悪性新生物による障害の程度は、組織所見とその悪性度、一般検査及び特殊検査、画像検査等の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考にして、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1 年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定する。
(1)悪性新生物は、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々であり、それによる障害も様々である。
(2)悪性新生物の検査には、一般検査の他に、組織診断検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、X線CT検査、MRI検査、血管造影検査、内視鏡検査等がある。
(3)悪性新生物による障害は、次のように区分する。
ア | 悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む。)によって生じる局所の障害 |
イ | 悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む。)による全身の衰弱又は機能の障害 |
ウ | 悪性新生物に対する治療の結果として起こる全身衰弱又は機能の障害 |
(4) 悪性新生物による認定例は、以下である。
(5) 悪性新生物そのものによるか又は悪性新生物に対する治療の結果として起こる障害の程度は、本章各節の認定要領により認定する。
(6) 悪性新生物による障害の程度の認定例は、(4)に示したとおりであるが、全身衰弱と機能障害とを区別して考えることは、悪性新生物という疾患の本質から、本来不自然なことが多く、認定に当たっては組織所見とその悪性度、一般検査及び特殊検査、画像診断等の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。
(7) 転移性悪性新生物は、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できたものは、相当因果関係があるものと認められる。
【腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症による障害】
ア | 腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症とは、胃切除によるダンピング症候群等、短絡
的腸吻合術による盲管症候群、虫垂切除等による癒着性腸閉塞又は癒着性腹膜炎、腸
ろう等をいう。 |
イ | 腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症の障害の程度は、全身状態、栄養状態、年齢、
術後の経過、予後、原疾患の性質、進行状況、具体的な日常生活状況等を考慮し、総
合的に認定するものとする。 |
障害等級はおおむね以下のようになります。
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