|
不服申立=(再)審査請求できる決定とできない決定
Q:障害年金に関する決定で審査請求できないものはありますか?
A:
障害年金に関する国の決定や通知の全てに対して、審査請求と再審査請求ができるわけではありません。
審査請求と再審査請求の対象となるのは、処分だけだとされていて、この「処分」とは、再審査請求に対する裁決では「行政庁がその優越的な地位に基づき、公定力をもって権利義務を形成し、又はその範囲を確定する行為、すなわち、いわゆる行政処分を指すものと解されている。」(H20国230など多数)としています。 簡単にいうと、その決定が直接に権利や義務を生じさせるものと言っていいと思います。障害年金の決定、不支給決定はもちろんこの処分に該当します。
一方、更新診断書(現況届診断書)を提出しなかった場合の差止め、振込額の通知書、加算対象だった障害のない子供が18歳後の3月末でもって加算対象から外れることなどは、法律や元の決定に沿って、国はある意味、単なる事務作業(「事実行為」といいます)をするだけなので、 (再)審査請求の対象外とされています。 また、国民の請求に対して国が何ら意思表示をしないこと(「不作為」といいます)も、(再)審査請求の対象とはされていません。この事実行為と不作為については、年金関係であっても、行政不服審査法による異議申立てや審査請求を行うことになります。
ただ、これら処分、事実行為、不作為の区別がはっきりしていないことも多いです。 たとえば、診断書提出時期が○年後であるという通知は、国は処分に当たらないとしていますが、再審査請求を審査する社会保険審査会は処分に当たるとして内容審査をした裁決があります(しかし、2016/12の裁決では処分に当たらないとして門前払い=却下しました)。また、不作為であっても、それが事実上は不支給の決定をしたとみなされる場合には処分があったものとして、社会保険審査会は審査請求の対象とすることがあります。逆に決定通知に「不服申立ができます」と書いてあっても、社会保険審査会は処分とみなしていない決定・通知もあります。その場合は、不服申立をした結果、却下という門前払いにされてしまいます。
区別がつかないグレーゾーンの場合には、当方へご相談ください。なお、行政不服審査法による異議申立て等についても、その行政行為が国民年金や厚生年金などに基づくものであれば、社労士が代理して行うことができます。
|
|