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HIV感染症の障害認定基準
Q:HIV感染症で障害年金はもらえるのでしょうか?
A:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症による障害認定基準は以下になります。
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【ヒト免疫不全ウイルス感染症による障害の範囲について】
ヒト免疫不全ウイルス感染症による障害認定の対象となる障害は、次のとおりであること。
(1) ヒト免疫不全ウイルス感染症とその続発症による労働及び日常生活上の障害
(2) 副作用等治療の結果として起こる労働及び日常生活上の障害
【障害認定のあり方について】
続発症(ヒト免疫不全ウイルス消耗症候群、日和見感染症等)の有無及びその程度及びCD4値*1等の免疫機能の低下の状態を含む検査所見、治療及び症状の経過を十分考慮し、労働及び日常生活上の障害を総合的に認定すること。
*1:CD4値:血液中に含まれるリンパ球の一種で、免疫全体を
つかさどる機能を持つリンパ球数のこと。
【障害の程度】
(1) 各等級の例は以下である。
1級 | 回復困難なヒト免疫不全ウイルス感染症及びその合併症の結果、生活が室内に
制限されるか日常生活に全面的な介助を要するもの |
2級 | エイズの指標疾患や免疫不全に起因する疾患又は症状が発生するか、その既往
が存在する結果、治療又は再発防止療法が必要で、日常生活が著しく制限されるもの |
3級 | エイズ指標疾患*2の有無にかかわらず、口腔カンジダ症等の免疫機能低下に関
連した症状が持続するか繰り返す結果、治療又は再発防止療法が必要で、労働が制限
されるもの
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*2:エイズ指標疾患:サーベイランスのためのAIDS診断基準における特徴的症状に
該当する疾患
(2) 病状の程度については、 一般状態が次表の一般状態区分表の5に該当するものは1級に、 同表のウ又はエに該当するものは2級に、 同表のイ又はウに該当するものは3級に 概ね相当するので、認定の参考とすること。
一般状態区分表
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
(3) 1級及び2級においては労働能力の喪失等の状態、また、2級においては日
常生活上の障害の状態についても把握し、的確に評価すること。
【検査所見及び臨床所見について】
検査所見及び臨床所見については、ヒト免疫不全ウイルス感染症の特性を踏まえ、以
下の項目に留意し、認定を行うこと。
- 疲労感、倦怠感、不明熱、体重減少、消化器症状の程度、出現頻度、持続時間
- 日和見感染症、悪性腫瘍の種類、重症度、既往、出現頻度
- CD4値、ヒト免疫不全ウイルス―RNA定量値、白血球数、ヘモグロビン量、血小板数の状況
- 治療の状況(治療薬剤、服薬状況、副作用の状況)
なお、現時点におけるエイズ治療の水準にかんがみ、CD4値が200未満の状態では、多
くの感染者において強い疲労感、倦怠感が認められており、また、この段階では、多
数の日和見感染症等の発症の可能性が高まるために、抗エイズ薬等の多剤併用療法が
実施され、重篤な副作用を生じる結果、労働および日常生活が著しく制限される場合
が多いことにも留意すること。
【複数の外部障害、精神の障害等が存在する場合の認定について】
ヒト免疫不全ウイルス感染症及びその続発症によるか、又はヒト免疫不全ウイルス感
染症に対する治療の結果によるかの原因の如何を問わず、視機能障害、四肢麻痺、精
神・神経障害等の不可逆的な障害は、原疾患との併合認定により認定すること。
2011年1月に認定基準が追加されました!
より詳しい認定基準が定められ、診断書様式が変更となり、医療機関への説明書も配布されることになりました。
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※当事務所では、障害年金請求フルサポートをご依頼いただいた場合には、医師に診
断書を書いてもらうようお願いする際にご本人に同行して、専門家として診断書につ
いての説明を医師に対して行っています。
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